私の心にフェザータッチ -Sexy Zone Live Tour 2019 PAGESに行った感情に寄せてー
私の心にフェザータッチ――――――――――――――――。
ダサい。ダサいタイトルだ。ダサすぎ。鳥肌がたつほどダサい。
B’zの「太陽のKomati Angel」より格段にダサい。
ちなみにB’zの作詞はボーカルの稲葉さんが担当しているが、彼は後にこのタイトルについて「なぜこんなタイトルにしちゃったのか自分でもわからない」とコメントしている。
最高か。なんだその精神状態。
はっきり言ってこんなタイトルのシングル曲、正常な精神状態の人間は買わないだろう。
しかし、もしも私がSexy Zoneに曲を書くならタイトルはこれである。私が思うSexy Zoneの歌う曲はこういう存在だよ、と彼らに伝えたい。あわよくば作った曲を歌ってほしい。
何を言ってるのか分からねーと思うが、正常な精神状態じゃない私の話を聞いてほしい。
とある地方から一昨年関東に引っ越してきて、はや1年半が経った。
1年半前、2017年10月に発売されたSexy Zoneのシングル曲、「ぎゅっと」を聞くと私の心は震えてしまう。
匂いと脳は直結しており匂いを嗅ぐとその時の記憶が蘇ってくる、などと聞いたことがあるが、私にとってはこの曲がそうである。あの頃の私の心と極太極短パイプで直結しているためイントロを聴くとノータイムで心が震えるのが分かる。
私は仕事で医学系研究をしており、大学院生ではあるが某研究所にて研究職員として働いている。(ちなみにジャニオタ友達が多い私であるが、同業でジャニオタに会ったことがない。何故かは分からないが、いつかこれについても考察してみたい。)
私の仕事ははっきり言って過酷だ。これには自信がある。
知らない人しかいない知らない街、新しい仕事環境に不安や緊張の毎日。
加えてボスは厳しい人で、少しでも甘い仕事をするとハチャメチャに怒られるため、仕事は丁寧にするようになったが今度は進捗が遅いとハチャメチャに怒られる。プレッシャーを感じる日々。
こんな調子のため1日あたりのラボの滞在時間は16~18時間、夜中にしかできない実験なんかが入ると30時間滞在してたりする。当然休日も平日もない。
研究のことを考えないでいい時間なんて、私のこれからの人生に存在し得ないんだなって思った。
でも泣けなかった。
まだまだ男女格差が色濃く残る業種のため、男性ばかりの職場で万が一私のような若い女が泣いてしまったら、二度と同僚として、仕事仲間として見てもらえなくなる。
「職場で泣くぐらいなら死んだ方がマシ」と、幾度となく女性研究者と話してきた。
ボスの怒声に心を固めて耐えてた。
不安と恐怖とプレッシャーとプライドとが絡み合うぐちゃぐちゃな心は悲鳴を上げてて、職場で流せない涙を真夜中の道端で流しながら帰ってた。そんな日々。
そう、あの頃の私の頭の中は、「ボスに怒られないように仕事をする」。
これが占拠していた。
そんな私のぐちゃぐちゃな心を、Sexy Zoneの「ぎゅっと」が救った。
思い返せば研究者になることを決めるずっとずっと前、高校2年生の冬(のはず)に私は勝利くんと出会った。
衝撃だった。
はっきり覚えている。クリスマスの大型歌番組。SMAPの中居君と江角マキコさんが司会。ジャニーズタレントがいっぱい出ていて、ジャニーズヒットソングメドレーを披露していた。SMAPのSHAKEから始まり、往年のヒット曲が次々とメドレーで流れていく。
仮面舞踏会に曲が変わる。
脇に山田涼介、知念侑李、中島健人、菊池風磨を従えて、ドセンでえらいかわいい男の子が、儚げでえらいかわいい声で歌っていた。私のピントはその子にだけ合っていた。
衝撃だった。
山田君、知念君のことは知っていた。Sexy Zoneもデビュー曲の歌詞がブッ飛んでることだけは知っていた。顔は初めて見た。もちろん勝利くんのことも初めて見た。
首はもげ、体がバラバラになるような衝撃を受けた。初めての感情だった。気が狂うほど綺麗で、儚くて、「美少年」だと思った。いや、言語化なんかできなかった。なんせあまりにも美しいもんだから、私の今までの語彙では、形容できないのだ。
花は美しいが、花を知らないと美しいかどうかは分からない。美しいという言葉を知らないと花を美しいとは表現できない。
どう考えても勝利くんは美しいのだが、美しいでは表現しきれていない。勝利くんの形容詞として不十分である。だが分からない。適切な表現をまだ人類は持っていないのかもしれない。多分人生かけて探しても見つからない。そんな美しさだった。
そこからは早くて、真っ逆さまにSexy Zoneに落ちていった。大学入学とともにライブにもよく行くようになった。
Sexy Zoneの曲が大好きだった。良曲ぞろいだと思う。何故そう思うのかはわからない。顔がいい男が歌ってりゃなんでもいいのかもしれない、なんて思ってたのかも。
これまでの人生で一番きつい2017年秋、私は泣きながら歩く帰り道沿いにあるコンビニで「ぎゅっと」を受け取る。帰宅後PCにインポート。即聞いた。
実を言うとその頃出てた歌番組は録画だけしてチェックできていなかったため、ここで初めて聴いたのだ。
結論から言うと翌日眼が腫れるほど泣いた。
いい年して曲と自分を重ねて歌詞の主人公になったような錯覚を覚え、泣いた。
Sexy Zoneが私のぐちゃぐちゃな気持ちを綺麗に昇華してくれたのだ。
Sexy Zoneが私の心に、まるで真綿を潰さないように触れ、しかし確かに「ぎゅっと」抱きしめてくれた。
朝起きればまた一日が始まるということに耐えきれなくなりそうな私の心を肯定してくれた。それでもSexy Zoneがいるから。一緒に、手をつないで歩いて行こうねって。
これだけで岩のようにカチコチだけど真綿のように潰れやすくなってた心はSexy Zoneによってほぐされ、守られた。
馬鹿なことに私はこの時やっと認識できた。
Sexy Zoneの曲は何で良曲ぞろいなのか。
Sexy Zoneは「伝える」ことが極めて得意なアイドルだと思う。
それもただ伝えるんじゃなくて、寄り添って、心に触って、包んで、届けてくれる。
何をか。
言葉を。愛を。Sexyを。
(セクシーデリバリーだ!!!!!天才!!!)
そんな曲が多いと思う。
Sexy Zoneはみんな言葉を大事に紡いでいく。織りなす布は私の心を温める。
良曲ぞろいといわれる所以は、もちろん楽曲提供者のハイセンスもある。
でも何より、いろんな人の心を包んであたためて守ってくれる、そんな伝え方をしてくれるからではないだろうか。
コンサートの話を忘れていた。
そう、今回のライブはあまりにも愛のメッセージにあふれていた。
最高の演出等言いたいことはいっぱいあるが、それはほかの人が書いてくれているので割愛する。
最高で、これ以上ないと思えるライブだった。
「ぎゅっと」「CRY」「いつまでもいつまでも」なんかは、私は涙なしでは聞いていられない。
Sexy Zoneが私の心に触れてくれてる、と思っている私の横で泣いてる人も、きっと同時にそう思ってる。もしかしたら、抜けてるパズルのピースみたいな彼を思って泣いているのかも。
みんなの心にSexy Zoneが寄り添って、みんなの心をSexy Zoneが守ってくれた。
これ以上ない愛にあふれた最高のライブだった。
「ボスに怒られないように仕事をする」が占拠していた私の心はほぐされ、
「自分にしかできない良い仕事をしよう」ただそのことを胸に仕事をするようになった。
するとどうだろう。不思議と前より怒られない。Sexyの御加護がすごい。
これ以上ない、と書いたが、語弊がある。
私の稚拙な想像力ではこれ以上をイメージできない。しかしながら彼らは次の瞬間、恐らくこの「最高」を超えてくる。なんてセクシーだ。
私の心にフェザータッチ―――――――――――。
私がSexy Zoneに楽曲提供できるならこのタイトルで曲を作り、歌詞を紡ぐ。
うそ。別にこれじゃなくてもいい。でもあなたたちの歌にはこんな力があるんだよって伝えたい。できるならやはり曲調は世紀のトンチキソングで。
そしてSexy Zoneに言葉を紡いでほしい。その布で、誰かを優しく包んで、温めつづけてほしい。
ありがとうの言葉をSexy Zoneに伝えて本記事を終えます。
愛しています。